全日本空輸株式会社 様
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全日本空輸株式会社について
ANAグループは1952 年に、安全運航を第一に航空輸送事業を開始、2016 年には国際線就航30周年を迎えました。
日本の航空業界の黎明期からその歴史とともに歩みを進め、航空運送事業を中核とする世界トップクラスのエアライングループとして成⾧を遂げ、年間旅客数は5,000万人を突破。
現在は世界のエアライン輸送旅客数ランキングにおいて、国内線輸送旅客数で世界第8位*1、国際線を含めた総輸送旅客数で世界14位*1となり、売上高、座席キロ、旅客キロ、旅客数において本邦No. 1 に。
「世界のリーディングエアライングループ」を目指して、さらなる努力と挑戦を続けています。
*1.出典:国際航空運送協会(IATA)2016年
「予知整備」実現の検討、導入にむけて
現在、航空機整備においては、不具合が発生してから事後に整備を行うのではなく、航空機の不具合の予兆を捉え、事前に整備を行うことで、遅発・欠航を未然に防止する「予知整備」実現の検討、導入が進められています。
この「予知整備」には 2 つのアプローチがあります。
1 つが特定の故障モードの発生を予測する「故障予測」、もう 1 つが"いつもと違う"を検知する「異常検知」です。
故障予測は教師データとなる故障データが十分存在する場合には効果を発揮しますが、データが少ない故障や未知の故障に対しては十分な効果が発揮できない可能性があります。
一方、異常検知はデータが少ない故障や未知の故障に対しても有効だと考えられますが、航空機の予知整備への実運用事例はあまり多くは知られていません。
しかしながら、他の業界ではすでに実運用の中で使われているものもあります。
そこで、他の業界で使用されている異常検知を航空機の予知整備に活用するためのトライアルとして今回の分析を実施しました。
なお、分析は(1)安定飛行時の分析と(2)離着陸前後の分析の2フェーズに分けて実施しました。
≪分析データ概要≫
機種:Boeing 777 -300ER
機体数:22機
取得期間:2018年1月~2018年12月
データ内容:油圧システム時系列センサーデータ
分析の結果、航空機における異常検知の実現可能性を確認
安定飛行時の分析では、明確な異常を正常・異常のラベル付けされていないデータから検知できたケースもありました。
一方、離着陸前後の分析や安定飛行時の分析の一部では、検知された異常が、不具合によるものか整備作業などによる異常なのかが区別できないという課題が見つかりました。
これに対しては、航空機整備の知識をより一層分析に反映させる、よりシンプルなシステムを対象に異常検知を実施することが考えられます。
いくつかの課題もありましたが、トライアル結果から航空機における異常検知の実現可能性が見えました。